むかしむかし、インクウェル島とよばれる魔法の島に、 カップヘッドとマグマンという兄弟が住んでいました。 ふたりは物知りケトルじいさんのもとでのんびり暮らしていました。 ある日のこと。じいさんから何度も忠告されていたにも かかわらず、ふたりは家から遠く離れたガラの悪い地区にある 「デビルのカジノ」に入ってしまったのです。 カジノに入ると、カップヘッドとマグマンは あっという間にサイコロのテーブルで勝ちを重ねました。 「こりゃすごい!キミたちは負け知らずだね!」 カジノのいかがわしげな支配人、キングダイスが言いました。 「やるな、坊主ども」兄弟はハッと息をのみました。 なぜなら、この声の主はカジノのオーナー、デビルだったからです! 「そろそろ掛け金を上げてみるか?」 デビルは歯を見せ、ニヤリと笑って言いました。 「もう一度お前たちが勝てば、このカジノの金を全てくれてやろう!」 デビルが大きな声で言い放つと、あたりは沸き立ちました。 「ただし、負ければそのタマシイを頂く。さあ、取り引きするか?」 簡単に金持ちになれるチャンスに目がくらんだ カップヘッドはうなずきサイコロをつかみました。 「あっ、カップヘッド!いけない!」 危機を察したマグマンが叫びました。しかし、時すでに遅し! 「ピンゾロだ!」*サイコロの目の1が2個揃うこと デビルが床を叩きながら大笑いしました。 「貴様らの負けだ!」デビルが兄弟にせまり、 ふたりは恐怖で震え上がりました。 「さて、貴様らのタマシイだが…」 兄弟は命乞いをしました。 「き、きっと別の方法でお返ししますから」 マグマンは言葉につまりながらも訴えました。 「そ、そうです!おねがいします!」 カップヘッドも言いました。 「ふーむ、一考の余地はあるな」 デビルはニタニタと笑いながら1枚の羊皮紙を取り出しました。 「逃げ出した債務者どものリストがここにある。俺様の代わりに こいつらのタマシイを集めてこい。そうすれば貴様らのことは見逃してやってもいい」 「わかったらさっさと行け!」 デビルはうなり、ふたりをケリ飛ばして乱暴にカジノから追い出しました。 「こいつら全員のタマシイを明日の真夜中までに集めてこい! さもなくば、俺様が貴様らのタマシイを回収しにいく!」 カップヘッドとマグマンはすっかりおびえて全速力で逃げ出しました。 「はやく、マグ!」 カップヘッドは言いました。 「ケトルじいさんのところにいこう! きっとどうすればいいか教えてくれるから!」
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